階段での転倒を防止するために手すりをつけたいとおっしゃる方は少なくありません。
平成12年以降は、建築基準法で手すりの設置は義務付けられましたが、それ以前に建てられた住宅の場合には、手すりがついていないお宅も少なくないからです。
若い頃は、階段も走って上り下りができたでしょうが、年を重ねれば誰しも足元がおぼつかなくなってきますし、階段の位置によっては、薄暗く段も見えにくいため、転倒の危険度は増加していきます。
そこで、この記事では、
- 階段の手すりを後付けで行う方法
- 取付位置
- 下地がない時の対処法など
について詳しく解説します。
階段の手すりの後付けに必要な道具は?
階段の手すりの後付けに最低、必要な道具は、
- 手すり
- 取り付け金具など
- メジャー・カルコ・水糸・糸巻きなど
- 下地チェッカー
- 電動ドライバー
5つです。
それぞれ詳しく解説します。
手すり
まずは、階段の状況を確認し、どのように手すりをつけるのか?寸法を測り、必要な長さの手すりを準備します。
階段手すりの素材は、
- 金属製
- 木製
- 樹脂製
と3種類に分けられますので、それぞれの特徴を理解して、選ばれると良いでしょう。
金属製は、モダンなデザインになりますが、一方で冷たい印象を与えます。
また、現実問題として、冬にヒヤッと冷たく感じますし、静電気も起きる可能性があります。
木製は、加工がしやすいですが、反りやすいなどの欠点もあります。
ただし、材質を無垢材ではなく集成材の手すりを選べば、反りにくくなります。
樹脂製は、カラーバリエーションが豊富ですが、白を選ぶと汚れが目立つようになりますし、他の素材に比べると劣化しやすいでしょう。
固定金具など
階段手すり用の固定金具(ブラケット)はもちろん、取り付ける手すりの状況に合わせて、ジョイントやエンドキャップなども準備しましょう。
メジャー、カルコ、水糸など
メジャーは、diyを行うには必須の道具なので、詳しく説明する必要はないでしょう。
カルコと水糸、糸巻きは、手すりを取り付ける時に重宝します。
これらを使う目的は、手すりの通り(まっすぐか?どうか?)を見るためです。
これなら、墨だし(チョークライン)のように壁を汚しません。
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※カルコと糸巻きがどんなものなのか?わかりやすいように掲載しているだけですので、クリックせず、ご自身がお好きなところで購入してくださいね。
※また、このセットは、糸が0.85mしかないので、階段手すりの通りを見るには長さが足りず、糸だけ別途購入が必要です。
下地チェッカー
下地チェッカーは、文字通り、下地を探すための道具です。
階段の手すりは、人の体重を支える必要がありますから、手すり自体がしっかりと固定されていなければなりません。
そのため、手すりの取り付け金具は、壁の内部にある間柱や柱までビス(ネジ)が到達している必要があります。
特に後付けの場合には、下地がどこにあるのか?わからないケースも少なくありませんので、diyで行う場合には下地チェッカーは必須です。
電動ドライバー
一般的な木造の場合、壁の内部は下の図のようになっています。
手すりの固定は、間柱や柱までビスが到達しているのが理想ですから、ここまで、ビスをもみこむためには、やはり電動ドライバーは必須です。
階段の手すりの後付け方法
道具が一通り準備できたら、いよいよ階段手すりを取り付けます。
具体的な後付け方法をステップごとに解説します。
まずは、手すりを付ける場所に、水糸を張ります。
この時、手すりの高さも確認しておきましょう。
基本の高さは、75cm~85cmの間なので、使う人に合わせて決めると良いでしょう。
実際に、階段上で手すりを使われる方に確認してもらうのがおススメです。
この時のポイントは、階段を上る時ではなく、階段を下りる時の方を優先することです。
理由は言うまでもなく、階段は下りる時こそ、危険だからです。
また、人によって階段を下りる時の癖もあります。
その方にとって危険がないような場所に手すりを付けることが大切です。
水糸で手すりの高さは確認できますので、手すりの固定金具のための下地を探します。
下地が確認できたら、固定金具の位置に印を付け、取付します。
この時、固定金具は、両端だけを取り付けます。
なぜなら、固定金具用のしるしは、完璧とは限らないからです。
両端の固定金具を取り付けたら、とりあえず、手すりを乗せてみます。
この時、手すりの長さや位置なども、実際の使い勝手を見ながら、決めてしまいます。
手すりが長すぎる場合には、ノコギリなどでカットします。
また、手すりを両端の固定金具に乗せてみた段階で、中央部分の固定金具の位置にも印を付けます。
手すりを両端の固定金具に固定します。
その後、中央部分の固定金具を取り付け、手すりを固定します。
エンドキャップなどを取りつけて完成です。
壁の下地がない場合の対処法は?
壁の下地がない、探せない場合には、手すりは取り付けられないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
手すり用の「ベースプレート」(薄い板)がありますので、それを使えば、壁の下地がない場合も取り付けられます。
既製品の「ベースプレート」を購入しても良いですし、大工職人に作ってもらってもOKです。
通常、壁の下地は、90cm間隔で柱が、45cm間隔で間柱が入っている(たまに30cm間隔)はずなのですが、その通りに作られていない家も意外にあるのが現実です。
そのため、下地の位置がずれていて、固定金具と固定金具の間がうまく調整できない場合も、この方法を使います。
階段の手すりを後付けで行う方法のまとめ
階段の手すりを後付けで行うには、
- 道具の準備
- 取り付け位置の確認
- 下地の確認
さえ、きちんとできれば、あとは、作業するだけです。
もちろん作業するだけ、と言っても、経験の差はいたるところに現れてきますので、
diyで頑張ってみたけれど、どうしても無理だ、という場合には、プロに依頼されるのが良いと思います。
その際、準備した手すりや固定金具などは、そのまま使ってもらえば良いですし、
実際にプロの作業風景も見せてもらうと、今後のdiyにも役立つはずです。
なお、今回は、階段の手すりを壁に取り付けることを想定してお話ししましたが、
まったくオープンな階段の(壁自体がない)場合には、手すり用の支柱が必要になってきますので、diyレベルでは難しいかと思います。
下の写真は屋内ではありませんが、屋外の階段と考え方は同じです。
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